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ある日の興月夫婦

  • 執筆者の写真: albusgalaxias
    albusgalaxias
  • 2024年11月18日
  • 読了時間: 1分

「あ、あの、旦那様」

「どうした、霧月?」

「実は……話さないといけないことがあって」

「私に? 何だい?」

「……聞いても怒らないでくださいますか?」

「んー、それは内容による」

「っ! やっぱり何でもないです!」

「霧月、逆に気になるじゃないか。言ってごらん」

「えっと、えっと……」

「早く言わないと、襲い掛かって、口を割らせるよ?」

「その、昨夜……」

「うん」

「眠っている旦那様の唇に触れて……」

「え?」

「あまりに滑らかで気持ち良かったから……」

「……」

「ちょっとだけ、唇を吸ったんです……!」

「お前から私に、接吻したの?」

「ちょっとだけです!」

「ふーん、私が眠っている間に……」

「ご、ごめんなさい」

「美味しかった?」

「……はい」

「私が眠っている間にお前に襲われるなんて」

「ごめんなさいっ! もうしません!」

「フフ、かわいいね」

「旦那様」

「でも私はその時気づかずに、いい思いをしてないから、今から返してもらおうかな」

「あっ……」

「ほら、顔、こっちに向けて。ん……」

「っふ、く……」

「……」

「ん……」

「……」

「んん……」

「……」

「んー! んんー!! んんーーッ!!!」

 
 
 

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