旦那様の女性遍歴は聞くこと勿れ、後が怖いから
- albusgalaxias
- 4月7日
- 読了時間: 2分
「旦那様、旦那様は、その、妓楼(ぎろう)とかに行ったことがあったのでしょうか?」
「何だい? 突然。妓楼(ぎろう)とか遊郭(ゆうかく)に興味があるの?」
「いえっ! そうではなくて……」
「ん?」
「その、夜、旦那様はすごく優しくて、と、床(とこ)上手(じょうず)だから、……そう言った場所で知識や経験を増やされたのかなって思って……」
「霧月は私の女性遍歴を知りたいのかな?」
「そういうわけではなくて……でも、ちょっと気になります」
「安心して。私が心から愛しているのは霧月だけだよ」
「はい、旦那様……」
「でも、他の女性経験がないわけではない」
「そ、そうですよね……」
「嫉妬(しっと)した?」
「はい、分かっていますが、ちょっと。……ほんのちょっとだけです」
「甘い思い出ではないからね。私も思い出してしまって、不機嫌(ふきげん)だ」
「ご、ごめんなさい! 私のつまらない嫉妬で……」
「そう? ならば私を上機嫌(じょうきげん)にしてくれる?」
「ど、どうすれば、よろしいですか?」
「霧月、分かっていて、とぼけているの? それとも私におあずけをして、焦(じ)らしているの?」
「わ、分からないから……! 抱きしめたら、機嫌を直してくださいますか?」
「それも良いね。じゃあ、私を抱きしめて。思いっきり扇情的(せんじょうてき)にね」
「ぎゅ、ぎゅー」
「……。うん、一生懸命で可愛いけれど、お前には夜にもっと私のことを教え込んであげるよ」
「え? え?」
「心配しなくていいよ。時間はたっぷりあるし、お前が覚えが悪くても、私を分からせるまで念入りに教え込んで、お前に『もう許してください』って言わせてあげるから。フフ」
「だ、旦那様?」
「大丈夫、優しくしてあげるから。フフフ……」
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